「完熟トマトで作った〇〇」という商品を見ると、普通のトマトよりも味も栄養も優れている感じがします。
スーパーでただのトマトと完熟トマトが並んでいると、少し値段が高くても完熟トマトを買いたくなりますよね。
しかし、この完熟トマトにはあまり知られていない事実がありました。今回は完熟トマトについて詳しくご説明したいと思います。
トマトは和名(別名)でなんて言う?意外とたくさんあった!完熟トマトと聞くと熟した美味しいトマトを消費者は連想する
完熟の定義は種が発芽できる状態になったことを言う?
加工品にしても、生のトマトにしても「完熟トマト」と聞くと熟した美味しいトマトを連想します。
普通のトマトよりも甘くて美味しいイメージがありますよね。
でも、どのようなトマトのことを完熟トマトと呼んでいるのか理解している方は少ないかもしれません。完熟トマトは普通のトマトと何が違うのでしょうか。
「完熟トマト」の定義、「完熟」の定義を調べてみると意外なことがわかりました。
「完熟トマト」には明確な定義があるわけではないのです。
そこで「完熟」について辞書で調べてみると「種が十分にうれること」とありました。つまり、完熟の定義は、種が発芽できる状態になったことを言うのです。
しかし、トマトの種が本当に発芽できる状態になっているかどうか厳密に判断することは難しいでしょう。
だから完熟トマトとされていても、だいたい完熟になっているトマトだろうという程度のものなのです。
流通の仕組みを考えると完熟の状態で出荷する事は不可能?
普通のトマトは青い(緑色)状態で出荷する
農家で収穫されたトマトは箱詰めにされて農家の人がトラックで地域の市場は直売所に運びます。
そこで小売業者によって仕入れられたトマトは、トラックで全国のスーパーなどのお店に運ばれていきます。
お店に到着したトマトは袋やパックで小分けにされて売り場に並ぶのです。
このようなトマトの流通の仕組みを考えると、完熟した状態のトマトを出荷するのは不可能と言えます。
完熟したトマトは皮がとても柔らかい状態です。トラックで運ばれる途中でほぼ確実に割れたり潰れたりしてしまいます。
だから普通のトマトは青い(緑色)の状態で出荷されます。
青い状態のトマトはまだ身がしまっているので皮が固く割れる心配がありません。
トマトは追熟する野菜です。追熟とは成熟する前に収穫して、その後で熟させることです。
追熟が必要な果物はバナナやメロンなどがあります。
青い状態で出荷されたトマトは、配送される過程で追熟し、スーパーに並ぶ頃には丁度良い赤い状態になるという流れが一般的です。
完熟トマトは薄い赤い状態で出荷するところが多い
普通のトマトは青い状態で出荷されますが、完熟トマトは真っ赤な状態でスーパーに並ぶことができるように、薄い赤い状態で出荷しています。
収穫してからスーパーに並ぶまでの時間を逆算してトマトを収穫、出荷しているのです。
青いトマトに比べて赤いトマトは割れやすくなるため、配送には細心の注意を払う必要があります。
「完熟」の定義は生産者たちそれぞれで違う為とても曖昧!
「完熟トマト」には明確な定義はありません。
つまり、生産者が「これは完熟トマトです」と言ってしまえば「完熟トマト」として売ることができるということになります。
もちろん、それぞれの生産者は各団体の定めた「完熟トマト」のルールに従って出荷しています。
しかし、その定義は団体ごとに違い、曖昧なものなのです。
9割くらい熟してから出荷することで、スーパーに出回る頃には真っ赤な完熟トマトになっているだろうという程度のルールなので、あまり信頼できるものではありません。
だから「完熟トマト」として売られているトマトでも、スーパーによって味わいが全然違うということもあるでしょう。
本当の完熟トマトを食べたければ自家栽培や路地販売がオススメ!
「完熟トマト」について調べてみたところ、明確な定義がないこと、曖昧な基準で完熟トマトとして売られていることがわかりました。
それでは本当の完熟トマトを食べるためにはどうしたら良いのでしょうか。
本当に完熟したトマトを食べるためには、自家栽培をするのが一番です。自分の目で見て真っ赤に完熟したトマトを収穫することができるからです。
でも、自分で栽培するのは容易なことではありません。そこでおすすめしたいのが路地販売です。
農家の方が採りたての野菜や果物を販売しているところです。路地販売で売られているトマトは本当の完熟トマトと言えるでしょう。
流通の事情により、本当に完熟したトマトを出荷することはできません。しかし路地販売や直売所なら、畑で完熟したトマトをそのまますぐに売ることが可能なのです。
本当の完熟トマトの甘さやたっぷりの栄養を得たい方はぜひ、完熟トマトを売っている路地販売を探してみてくださいね。
まとめ
「完熟トマト」と聞いてイメージするのは真っ赤で柔らかく甘みのあるトマトです。
しかし、「完熟トマト」として売られているトマトには明確な定義がないことがわかりました。
スーパーに並んでいる完熟トマトは、完熟した状態で収穫されたトマトではなく、薄い赤い状態で収穫されたトマトが流通の課程で追熟して真っ赤になっているのです。
言葉だけにだまされることがないように、「完熟トマト」について正しく理解しておきたいですね。
トマトの保存期間は?日持ちさせるコツを徹底紹介!大量に余ったトマトはジャムに!作り方と保存期間は?トマトジュースに塩が入っている理由と健康についてまとめました